〔単純系学講義:其の八〕


なぜ社会保障制度改革は進まないのか

〜厚生労働省の利権に群がる“ワル”の群像〜



 

 新庄、帰っちゃったんだね、日本に。

 そういえば、いつの間にかアメリカ人になっていたはずだから、日本に帰るという表現は正しくないな。
 場所明けをいつもハワイで過ごしている曙や武蔵丸やKONISHIKI(旧小錦)みたいに、休暇を祖国ならぬ出身地でのんびりと過ごそうと、そういうことだね。

 まあ、今年の成績からいって来年もメジャーでプレーしてくれそうなんで、俺としてもひとまずはホッと一安心してはおります。

 でも、成田に到着直後の記者会見で「来年は本塁打を23本打ちたい」といったらしいけど、何で23本なの?
 たしか背番号は5だし。
 歳も30くらいのはずだし。
 もしかして隠し子の数か?

 よくわかんないなー、例によって。面白すぎるぞ、新庄。 

 ということで。

 今回の講義のお題は「なぜ社会保障制度改革は進まないのか」です。

 パーキロー流節操なき有象無象改革もどきを全面的に否定する「抵抗勢力」のプロフェッサーMANBOは、日本が今なによりも必要としているのは、抜本的な社会保障制度改革だということを繰り返して指摘してきたわけだけど。 

 それじゃ、抜本的な社会保障制度改革の具体的な中身とは、どのようなものか。

 今回の講義と次回の講義では、その概要について説明したいと思います。

 まず。

 一般にマスコミなんかでは、社会保障制度ということばはかなりアバウトに用いられているみたいだけど、ここではそのうちの主要な3本柱、すなわち「年金」「医療」「介護」に限定して話をすすめていくことにします。

 現在、「年金」「医療」「介護」に関しては、各々、「公的年金制度」「医療保険制度」「介護保険制度」という公的な制度がカバーしていて、そのすべてを厚生労働省という単一の省が仕切っているんだけど。

 結論からいうと、これら3つの制度は、すでに実質的に破綻ないしは将来的に破綻することが確実なんだよね。

 厚生労働省は、その破綻をなんとか国民の目から隠蔽しようとして、年金なら支給開始年齢を65歳に引き上げたり、医療保険なら老人医療保険の適用年齢や全般的な自己負担率の引き上げをしたりと、あのテこのテで小細工を繰り出してきているんだけど。

 でも、そんなの無理。
 ぜんぜん無理。
 お返事120%無理。

 今みたいな小手先のゴマカシをいくらやったところで、制度のあり方そのものを根本的に変えてしまわないかぎり、そう遠くない将来に年金や医療保険や介護保険が完全に破綻してしまうことは明らか。

 さらに、今みたいな制度改悪を続けていると、ますます国民が将来に不安を抱いて、金を使わないでためこんじゃうでしょ。
 そうなると、景気がさらに悪化して、税収や保険料収入の減少や未納者の増加という社会的な問題が発生するね。
 で、景気悪化と社会保障不安が、さらなる景気悪化に拍車をかける、と。
 地獄の不況スパイラルだな。

 このままだと、本来は国民に安心を与えるためにあるはずの社会保障制度が直接の原因になって、将来不安による消費の停滞から、ついには日本という国そのものが経済的に崩壊するよ。 

 厚生労働省が、今のようにてめえらの既得権益維持にしがみついて、たとえ日本が滅びようと厚生労働省の利権だけは絶対に温存するというクレイジーな振る舞いに奔走しているかぎり、そのシナリオはほぼ確実に現実のものとなると、俺は断言します。

 で、ここで疑問に思うのは、どうして政治家もマスコミも学者先生も、誰も厚生労働省の暴走に歯止めをかけようとしないのかということ。

 もちろん、ちゃんと理由があってさ。

 まず、政治家とマスコミに関しては、ご想像のとおり。
 こいつらは、これまで厚生労働省のもっている年金保険料の積立金を中心とした莫大な資金が生む利権に群がって甘い汁を吸い続けてきたんだけど、今後もおいしい思いをするためには、絶対に今ある制度を存続させる必要があるんだね。
 その点では、厚生労働省と政治家・マスコミの利害関係は完全に一致しているわけだ。

 厚生労働省の族議員ということでは、これまでポマード犬こと橋本龍太郎やパーマ犬ことパーキローこと小泉純一郎をやり玉にあげてきたけど、たまたまこいつらは厚生労働省との係わりあいの程度が他の自民党の国会議員に比べて多少ディープだっただけで、ある意味、厚生労働省に関しては族議員云々はあくまでも相対的なものにすぎないともいえるんだよね。
 実際に、自民党の主だった国会議員のほぼ全員が厚生労働省(旧厚生省)のもってる莫大な資金が生み出す利権に群がって、大なり小なり甘い汁を吸い続けてきたわけだからさ。
 このさいだから具体的な名前をあげるけど、加藤紘一や中曽根康弘、あとは故人の渡辺美智雄なんかは、年金関係の利権で、かなり汚い、それもまとまった金を懐に入れているよな。

 したがって、厚生労働省のもってる現在の制度の枠組みをそのまま温存するというのは、てめえの金づるを今後も確保したい自民党国会議員の総意でもあるわけだ。

 あと、マスコミだけど。
 本当にひどいね、あいつら。
 厚生労働省は、その潤沢な資金をもとに、夥しい数の得体の知れない公益法人を傘下に抱えているんだけど。
 マスコミ、とりわけ新聞社は、そういう胡散臭い公益法人にたかり放題でさ。
 シンポジウムを共催というかたちにして公益法人に金だけ出させるという朝日新聞のお得意の手口については前にも書いたけど、それ以外にも、あの手この手で金をせびりまくってるんだよね。会社も、個々の記者も。もちろん朝日だけじゃなくて、他の新聞もね。
 ひどいにのになると、厚生労働省に退職後の再就職先を世話させてる奴までいる始末でさ。ね、そうだよね、そんな奴がうようよいるよね、朝日新聞さん、日経新聞さん。ご希望があれば、具体的な個人名を公表してさしあげてもいいっすよ。

 というわけで、厚生労働省のもってる現在の制度の枠組みをそのまま温存するというのは、てめえの金づるを今後も確保したいマスコミ、とりわけ新聞社の総意でもあるわけだ。 

 あと、学者先生なんだけど。

 これには2つのパターンがあって、@心底バカで社会保障をめぐる問題の所在をまったく理解していない、か、A徹底的に性根の腐りきった厚生労働省の飼犬、のどちらか。

 ノックアウト義塾大学は昔から御用学者の主要な供給源として知られているけど、最近では厚生労働省の代表的御用学者として大活躍している清家篤先生なんかは、前者のバカ系学者の代表格。あとは、介護保険の導入を一貫して後押しした東京家政大学の樋口恵子先生なんかも、ズバリそれだね。
 清家篤先生の場合は、たしかにいろいろな審議会にも顔を連ねていて厚生労働省の犬的な色合いも濃いんだけど、本質的な部分では、たんになんにもわかってない能天気な人ということなんだろうと思います。 
 会ったことあるけど、本当にボーっとしてるもんね、清家先生。あれじゃ海千山千の厚生労働省官僚に利用されるのもしかたないよな。

 あと、清家篤先生の名誉のために補足しておくと、俺は清家先生のように、いろんなところに出て行って積極的に発言することそれ自体は、学者として十分に評価に値する姿勢だと思ってますんで。とくに日本では。発言の中身はさておくとしてね。
 発言さえしようとしない、というかできないバカ学者のほうが、実際にははるかに多いわけだからさ。というよりも、ほとんどがそれだからさ。

 で、後者の犬系学者。
 これがまた多いんだ。
 厚生労働省は、福祉国家の建前のもと、様々な政策立案とその法制化、さらには執行を手がけてきたんだけど、その過程で多くの審議会や諮問機関を設置して、頭のパーな学者や新聞記者(最近朝日新聞を退社して大阪大学の教授に天下った大熊由紀子先生なんかがその典型)をメンバーに招聘しつつ、そいつらを利用して、てめえらの思いどおりに利権を構築してきたんだけどさ。
 そういう審議会や諮問機関のメンバーとして招聘されるというのは、地位と金の亡者であるところの大多数の学者先生やマスコミ関係者にとっては、このうえなく名誉なことらしくて。
 しかも、審議会や諮問機関のメンバーであることによって、さらに新たな地位や金にまつわるおいしい話が転がりこんでくるもんだから、三日やったらやめられないみたいなんだよね。泥棒と日本書紀とおんなじ。日本書紀じゃなくて、もう一個のナントカ記のほうか。
 なもんだから、とにかく厚生労働省に嫌われないようにと、役人の喜ぶような発言や答申しかしないわけだ。
 まさに犬。 

 あと、これも大事なんだけど。

 厚生労働省、というよりも旧厚生省の主要なキャリア官僚は、ほとんどが東大法学部の出身で、すでに基本的な能力のレベルで政治家やマスコミや学者先生が逆立ちしても太刀打ちできないというのも、要因としては大きいよね。
 能力的にも知識の面でも厚生労働省の官僚とはあまりにも差がありすぎるから、どうせまともな政策論議なんかできっこないってんで、どうしても官僚のいうことに唯々諾々と従っちゃうわけだ。

 以上のようなわけで。

 今や日本最大の巨大利権官庁ともいえる厚生労働省に関しては、政治家、マスコミ、学者が三位一体となって、現在保有している利権の絶対護持の姿勢をなかば明確にしているという状況下。
 厚生労働省の利権剥奪や組織縮小、へたすりゃ実質的解体につながるような抜本的な社会保障制度改革なんて、間違っても議論されるわけもなく。 

 じゃあ、誰が抜本的な社会保障制度改革の道筋を示すのか。

 俺が示します。

 というわけで。

 今回の講義はここまで。

 あと、関係ないけど。

 新庄がNYを離れて暇になっちゃたんで、俺も近いうちに日本に遊びにいこうかなどと思っております。追っかけでもあることだし。

 で、生まれてはじめて松坂牛のスキヤキでも食べてみようかな、と。

 今なら安いみたいだし。

 


今回の講義のまとめ

@今のような小手先の社会保障制度の見直しを続けていると、それが原因でさらにスパイラルの不況に陥り、日本経済は完全に崩壊する。

A厚生労働省と利害関係を同一にする政治家・マスコミ・学者先生は、既得権益の護持を最優先に考え抜本的な社会保障制度改革には否定的。しかもバカ。よって、そういう人たちには、なにひとつ期待できない。

Bスキヤキ=SUKIYAKI=上を向いて歩こう → あ、マンホールの蓋が………!


   

 (2001.10.20)





        
  凡人に訊け!          教えてGerard!



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