〜年金編〜 まんず。 久しぶりだなやー。 さっそくですが、マクラは抜きで、さくさくといきましょう。 前回の講義で、前後二回に分けて社会保障制度改革についてとりあげるという話をしましたが。 予定を変更して、今回を含めて三回に分けて、社会保障制度改革の具体的内容について講義をしていきたいと思います。 ちょっと分量が多くなりすぎるんだよね、一回でやろうとすると。 俺も性格的に、あんまり長いのは講義やってるうちに嫌になってくるし。 では。 今回の講義のお題は「社会保障制度改革大綱・年金編」。 まず。 これは俺が以前から主張していることだけど、基礎年金部分、つまり国民全員が加入している年金の最低保障部分については、現行の保険方式から完全税方式に転換します。 基礎年金の主要な財源を保険料方式から税方式に切り替える理由はいくらでもあるんだけど、全部説明しているときりがないので、今回の講義では、そのうち主要な2つの理由についてだけ説明します。 まず第一の点について。 今までの保険方式の年金制度は、サラリーマン中心の就業構造でかつ終身雇用制が前提となって運営されてきたんだけど、いわゆる常雇用者の減少や恒常的な雇用不安が確実視される今後の日本社会において、現行の保険制度では保険料未納者の大幅増加により年金制度そのものが破綻することは、火を見るよりも明らか。 未加入者と未納者を合わせると、国民年金加入対象者全体の16%。これに免除者を加えると36%。これだけの人が今現在年金の保険料を支払っていないうえに、今後は、ほぼ確実にこの数字は上昇するということがわかっているわけで。未納者の増加に比例して、徴収や広報のために使われる金も当然に増えていくわけで。 基礎年金の財源を完全税方式とすることで、これら現行の年金制度が抱えている未納者の増加と収入不足に関する問題は、ほぼ解消します。 財源が消費税なんだから、そもそも納める納めないの問題なんて発生しようもないんだし。 年金の財源を確保して制度の安定をはかりつつ、現行の保険制度では不可避的に発生する多大な制度維持のためのコストを大幅にカットできるという、もう、いたれりつくせり石川セリの嬉しい制度改革が、財源の完全税方式化。 もっとも、いたれりつくせりなのは、あくまでも一般国民にとってということで、厚生労働省やその傘下の公益法人やそこに群がる自民党国会議員やマスコミや学者先生ども、いわゆる卑し系の方々にとっては、とんでもはっぷん駅まで10分歩いてみたら15分の、絶対に認められない「制度改悪」であることは、いうまでもないけどね。 抵抗勢力っていうんでしょ、そういう人たちのこと。 第二の点について。 厚生労働省と自民党国会議員の言い分では、未納者が年金をもらえないのは、年金保険料を納めていなかったからであって、それは自業自得で、しかたがないということになっているんだけど。 でもさ、保険料を納めていない人には、納めていない人なりの理由があるわけでしょ。 しかも、保険料を納めていない人たちも、年金財源のうちの税収入負担分すなわち一般財源の部分については、ちゃんと負担しているわけだよね。今は年金財源の3分の1、今後は年金財源の2分の1。半分も。 結局さ、これは、公的年金制度を国の社会保障制度としてどのように位置づけるかという、制度理念に関わる問題なんだよね。 俺は、自助を原則とする資本主義国家である日本において、公的年金制度は、あくまでも生産能力の低下する高齢期における最低限度の生活を維持するための最低限度の保障、つまりはナショナルミニマムと位置づけるべきだと考えています。 厚生労働省や自民党国会議員やたかり命の朝日読売新聞や御用学者の清家篤先生は、公的年金の財源を税方式にすると生活保護との境界が曖昧になるとか主張して、税方式化に強硬に反対しているんだけど。 曖昧になってもいいじゃん。 厚生労働省や自民党国会議員や朝日読売新聞や清家篤先生がいってることは、納めた保険料の額と年数に応じて年金受給額が決定される現行の制度をアプリオリに「正しい」公的年金制度の姿だという前提に立っているから、生活保護との境界云々という戯言が平気で出てくるわけだけど。 次の改革案。 現在年金を受給している年金受給者の、受給額の上限をカットします。 公明党や日本共産党や高齢者の猛反発が怖くて、政治家もマスコミも学者先生も誰もいおうとしないけど、受給額カットなんてあまりにも当然のことでしょ。 今現在年金を受給している人たちの受給額がべらぼうに高いのは、選挙のたびに公明党と日本共産党が年金受給額の引き上げをパーキローのひとつおぼえみたいに大声で主張するもんで、万年政府与党の自民党としても無視するわけにもいかず、しかたなしにどんどん年金受給額を引き上げていった結果なんだけど。 だから、もともと経済成長率や人口動態といった具体的な財政的裏付けやビジョンがあって決められた受給額じゃないんだよ。 しかも、はじめに受給額の引き上げという結論ありきで強引にでっちあげられた経済成長率等の見込みも、いまや全部ご破算になってるわけで。 はやいはなしがさ、今現在べらぼうな年金を受給している人の、一定額以上の部分は実質的には不当利得なんだよね。 公務員の共済年金なんて、今はひとり年額で250万円くらいもらってるけど、漸次削減していって最終的には150万円前後まで引き下げるべき。 後の世代の犠牲の上に不当に高額の年金を受給することは、足ることを知る、そして公平かつ義務を果たすことを旨とする日本の今後のありかたとは相容れません。 次。 厚生年金と共済年金の2階部分を廃止します。 原則として、公的年金制度は現在の基礎年金部分のみを残して、2階部分は準公的年金としての確定拠出型年金及び民間の個人年金で、各自が運用する仕組みにするわけだね。 現行の厚生年金制度の具体的な内容については詳しく書いてると長くなるんで割愛するけど、要は国が税金使って保障するナショナルミニマムとしての公的年金制度は国民一律の基礎年金だけでいいんじゃないの、ということです。 最近日本でも導入された確定拠出方年金は、あれはアメリカのやつの看板だけ借りてきた羊頭狗肉の使いもんにならない制度だから、もっとちゃんとした使い勝手のいいメリットのある制度にして、国民が各自で2階部分の年金資産形成ができるようにするべき。 そもそもさ、この厚生年金こそが、厚生労働省と自民党国会議員とマスコミと学者先生どもが群がっている利権を生んできた最大の温床なんだよね。 それに、厚生年金や企業年金の場合、国民年金加入者よりも国からの税補助を多く受けられるんだけどさ。 あと、厚生年金の2階部分を廃止することで、企業の年金負担が減るというのも大きなメリットだね。 最後に。 年金支給開始年齢は、60歳からに戻します。 厚生労働省が勝手に65歳からということに決めちゃったけど、あんなの論外。 ITに代表される日進月歩の技術革新の波は、確実に従来の労働者の技術の陳腐化を加速化させていくわけで。 そりゃ公務員の皆さんはいいですよ。 でもさ、一般国民はどうすんの? 無理だよ、全員が65歳まで仕事して生活費を稼ぐなんてさ。 どうせ、公務員の再雇用先の職場の仕事もぜーんぶ税金丸がかえなんだから。そんなバカなことは、やめにしましょうや。 だいたいこんなとこかな。 ほかにもいろいろとあるけど、大きなところでは、以上のような基本的スタンスに立ったうえで、抜本的な年金制度改革を「断行」すべきだろうね。 そういえば。 ここまでの講義で気がついたかもしれないけど。 年金制度改革というのは、税制や雇用就業システム、さらには国民の意識までを含めた、まさに抜本的な社会構造改革なんだよね。 俺は以前の講義で構造改革なんてものはないといったけど、仮に構造改革と呼びうるものがあるとすれば、それは間違いなく社会保障制度改革だと思います。 ということで。 次回は健康保険編の予定です。 今回の講義はここまで。 いやはや。 疲れました。 おやすみなさい。 @公的年金は現行の保険方式を廃止して、基礎年金部分を完全税方式に転換する。 A現在の年金受給者の受給額の上限をカットする。 B厚生年金の2階部分を廃止して、確定拠出型年金等による国民個々の自主的年金運用方式に転換する。 C年金受給開始年齢は原則60歳から。
(2001.10.30) |